FUND ANALYSIS / OPERATOR CHECK
クラウドファンディング事業者は何を見て選ぶ?確認5項目|2026年8月版
本記事は情報提供を目的とした解説であり、特定の事業者・ファンドへの出資を勧誘するものではありません。ここで扱うのは公開情報の確認手順であり、確認を行ったことが損失を防ぐことを意味するものではありません。投資型クラウドファンディングは元本および分配が保証された商品ではなく、貸付先や対象不動産の状況などにより元本割れが生じるおそれがあります。最終的な投資判断はご自身の責任でお願いします。社名・登録番号・株主構成などの記述は、各社公式サイトにおける2026年8月27日時点の公表内容に基づきます。登録内容は変更されることがあるため、最新情報は必ず一次資料をご確認ください。
投資型クラウドファンディングの事業者は、公開情報だけで5項目まで確認できます。登録番号、登録されている業種、株主と親会社、加入協会、そして営業者が誰か。いずれも各社の会社概要ページとフッターに書かれている項目です。利回りの一覧を眺める前にここを通すと、同じ「クラウドファンディング」という言葉で括られた商品が、根拠法の時点で別物であることが見えてきます。
登録番号は何を示していますか?
その事業者が、どの法律に基づき、どの行政庁の登録を受けて営業しているかを示しています。番号そのものに優劣はありません。読むべきは、番号の前に付いている業種の名称と、登録した行政庁の名前です。
| サービス | 運営会社 | 公表されている登録・許可の表記 |
|---|---|---|
| COMMOSUS | 株式会社コモサス | 第二種金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第2973号 |
| Funds | ファンズ株式会社 | 第二種金融商品取引業 関東財務局長(金商)第3103号 |
| Funvest | Fintertech株式会社 | 第二種金融商品取引業 [関東財務局長(金商) 第3249号] |
| おうちの再生ファンドVIFA | レクストアセットマネジメント株式会社 | 不動産特定共同事業 大阪府知事第26号 電子取引/宅地建物取引業者免許証 大阪府知事(2)第62336号 |
| トライオートFX | インヴァスト証券株式会社 | 第一種金融商品取引業 第二種金融商品取引業 登録番号/関東財務局長(金商)第26号 |
並べると違いが立ち上がります。上の3社は金融商品取引法の第二種、VIFAは不動産特定共同事業法、インヴァスト証券は第一種と第二種の両方。同じ画面で比較しがちな商品が、そもそも別の法律の下にあります。
業種の違いは投資家にとって何を意味しますか?
投資家が保有するものと、対象になる資産が違います。第二種金融商品取引業のもとで扱われるファンド持分は、匿名組合契約に基づく出資持分です。不動産特定共同事業は不動産を対象とし、VIFAの場合は電子取引業務の許可を併せて表示しています。
この違いは、リスクの読み方の出発点を変えます。貸付型なら借り手の返済能力を読むことになり、不動産型なら対象物件の価格と収益を読むことになります。表示される年率が近くても、値が決まる仕組みは共有していません。
株主と親会社からは何が読めますか?
事業者自身の信用を読む材料になります。FunvestのFintertech株式会社は、株主を「株式会社大和証券グループ本社 80% 株式会社クレディセゾン 20%」と公表し、同社を大和証券グループ本社とクレディセゾンの合弁会社と説明しています。COMMOSUSを運営する株式会社コモサスは、株主に株式会社SOCIAL COMMON CAPITALを挙げています。
資本金や設立年も同じ欄で確認できます。株式会社コモサスは設立2015年12月01日、資本金1億円。Fintertech株式会社は設立2018年4月2日。レクストアセットマネジメント株式会社は設立2020年11月2日、資本金1億円と記載しています。
ただし、この情報の使い方には線があります。親会社の規模は、個々のファンドの元本や分配を保証しません。読めるのは運営体制の背景までで、貸付先や対象不動産のリスクはそこから独立しています。
加入協会はどこまで見ますか?
加入している自主規制団体は、その事業者がどの業務を行っているかの裏付けになります。COMMOSUSとFundsは一般社団法人第二種金融商品取引業協会への加入を表示しています。Fintertech株式会社は同協会に加えて日本貸金業協会を挙げ、事業内容にも貸金業法に規定する貸金業が入ります。
インヴァスト証券株式会社は、一般社団法人金融先物取引業協会、日本証券業協会、一般社団法人資産運用業協会への加入と、日本投資者保護基金への加入を公表しています。加入先の顔ぶれは、その会社が扱う商品の幅をそのまま映します。
ここまでの5項目のうち4つは、各社の会社概要ページを開けば数分で確認できます。下に出るのはPR枠です。本文で挙げた確認項目の結論とは無関係に表示されます。
「営業者は誰か」をなぜ確認するのですか?
匿名組合型では、投資家が資金を預ける相手が営業者だからです。Funvestは「お客様は匿名組合出資としてファンドに出資を行い、営業者であるFintertech株式会社が資金運用を行います」と明記しています。運用の実務を担う主体が誰かは、この一文で確定します。
営業者の信用は、投資家のリスクの一部です。Fundsはリスク項目に「当社の信用リスク」を独立して立てており、Funvestも損失が発生するおそれの説明に営業者の信用状況を含めています。不動産型のVIFAでは、劣後出資を負担する主体が運営会社自身であることがFAQに書かれています。
プラットフォームの名前と、営業者の社名が一致しない場合もあります。サービス名で覚えていると、契約の相手方を取り違えます。
5項目を実務に落とすとどうなりますか?
開くページは、会社概要とサイトのフッターの2つで足ります。上から順に拾えば、事業者ごとに見る場所を探し直す手間も減ります。
- 登録番号:会社概要ページかフッターで、業種名と登録した行政庁を確認します。
- 業種:第二種金融商品取引業か、不動産特定共同事業か。根拠法が違えば商品も違います。
- 株主・親会社:資本関係、設立年、資本金。運営体制の背景を読む材料です。
- 加入協会:自主規制団体と、該当すれば投資者保護基金。扱う商品の幅が映ります。
- 営業者:出資の相手方が誰か。サービス名ではなく契約上の主体名で確認します。
よくある質問(FAQ)
- Q. 登録番号はどこで確認できますか?
- 各社の会社概要ページやサイトのフッターに記載されています。COMMOSUSは第二種金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第2973号、Fundsはファンズ株式会社 第二種金融商品取引業 関東財務局長(金商)第3103号、FunvestのFintertech株式会社は関東財務局長(金商)第3249号と表示しています。
- Q. 第二種金融商品取引業と不動産特定共同事業は何が違いますか?
- 根拠となる法律と登録の窓口が違います。第二種金融商品取引業は金融商品取引法に基づき財務局長が登録します。不動産特定共同事業は不動産特定共同事業法に基づき、VIFAを運営するレクストアセットマネジメント株式会社の場合は不動産特定共同事業 大阪府知事第26号 電子取引と表示されています。
- Q. 株主や親会社を確認する意味はありますか?
- 事業者自身の信用を読む材料になります。FunvestのFintertech株式会社は株主を株式会社大和証券グループ本社80%、株式会社クレディセゾン20%と公表しています。ただし親会社の規模は、個々のファンドの元本や分配を保証するものではありません。
- Q. 営業者が誰かを確認する必要はありますか?
- あります。匿名組合型では投資家は営業者に出資し、営業者が資金を運用します。Funvestは、お客様は匿名組合出資としてファンドに出資を行い、営業者であるFintertech株式会社が資金運用を行うと説明しています。営業者の信用状況の悪化は損失の発生源になり得ます。
- Fintertech株式会社 会社概要(Funvest):https://ftt-funvest.jp/home/company
- 株式会社コモサス 会社概要(COMMOSUS):https://commosus.jp/company
- 金融庁:https://www.fsa.go.jp/
※登録内容・資本関係は変更されることがあります。出資の前に必ず一次資料と各ファンドの交付書面をご確認ください。
あわせて読みたい:
融資型クラウドファンディングの貸し倒れリスクは何で決まる?4つの確認点
再生型の不動産クラウドファンディングは何で稼ぐ?3つの収益源
FX自動売買のロジックは何を見て選ぶ?3つの判断軸
投信残高359兆円の中身を6つの数字で分解