MARKET DATA / FUND FLOW
投信残高359兆円の中身を6つの数字で分解|2026年7月版
本記事は情報提供を目的とした解説であり、特定の投資信託・金融商品の購入を勧誘するものではありません。投資信託・株式・FX等は元本割れのおそれがあります。最終的な投資判断はご自身の責任でお願いします。本文の統計値は資産運用業協会が2026年7月13日に公表した「数字で見る投資信託」(2026年6月末時点)に基づきます。最新情報は一次資料をご確認ください。
公募投信の純資産総額は、2026年6月末で359兆9,199億円。これが過去最高の水準です。内訳は株式投信が343兆1,210億円、公社債投信が16兆7,989億円。ただ「過去最高」という見出しだけでは、その中身までは見えません。この記事では、資産運用業協会が公表している統計をそのまま使い、残高の内訳・指数連動型の比率・投資先の地域・通貨という6つの切り口で359兆円を分解します。
359兆円の内訳はどうなっていますか?
まず全体像です。2026年6月末時点の公募投信の純資産総額は359兆9,199億円(5,836本)。このうち株式投信が343兆1,210億円(5,749本)、公社債投信が16兆7,989億円(87本)を占めます。金額ベースで見ると、公募投信のほぼ全体が株式投信だと分かります。
本数の偏りはさらに極端です。5,836本のうち5,749本、つまり98%以上が株式投信で、公社債投信はわずか87本。日本の公募投信市場を語るとき、実質的には「公募株式投信市場」を見ていることになります。
| 区分 | 純資産総額 | 本数 |
|---|---|---|
| 公募投信 全体 | 359兆9,199億円 | 5,836本 |
| 株式投信 | 343兆1,210億円 | 5,749本 |
| 公社債投信 | 16兆7,989億円 | 87本 |
なお公募株式投信の純資産総額343兆1,210億円も、同じ2026年6月末時点で過去最高を更新しています。全体と株式投信、どちらの記録も同じ月に更新された形です。
残高を押し上げているのは資金流入ですか、値上がりですか?
純資産総額は「入ってきたお金」と「持っている資産の値動き」の両方で動きます。ここを混ぜて読むと実態を取り違えるので、資金の流れだけを取り出して確認します。
公募投信への年間純資金流入は、2004年から2025年まで22年連続と過去最長を更新中で、2025年の年間純資金流入額は15兆5,004億円。公募株式投信に限れば1998年から2025年まで28年連続の純流入で、2025年は14兆3,188億円が流入しました。直近10年(2016年〜2025年)の平均は9兆6,584億円ですから、2025年はその平均を大きく上回ったことになります。
直近の月次も見ておきます。2026年6月の公募株式投信への月間純資金流入額は2兆5,851億円。2026年1月から6月末までの累計では11兆9,993億円です。半年で12兆円近くが新規に入っている計算で、残高の増加が値上がりだけによるものではないことが数字で確認できます。
インデックス型はどこまで増えていますか?
運用手法の構成比は、この統計でいちばん変化が見えやすい項目です。2026年6月末のインデックス型ファンドの純資産総額は222兆8,282億円、株式投信に占める比率は64.9%。公募株式投信の残高の3分の2近くが、指数連動型で占められています。
関連して、ETFの純資産総額は135兆6,543億円(410本)で、こちらも2026年5月の132兆3,520億円という過去最高を更新しました。410本という本数で135兆円を運用している計算になり、1本あたりの規模が個別の公募投信とは桁違いであることが分かります。
もう一つ、性格の違う数字を並べておきます。毎月決算型ファンドの純資産総額は25兆8,221億円で、株式投信に占める比率は7.5%。統計を開始した2010年3月以降のピークは2011年8月の67.5%でしたから、この15年ほどで構成比が大きく入れ替わったことになります。分配を重視する商品から、指数連動で積み上げる商品へ——残高の中身が示すのはそういう変化です。
| 区分 | 純資産総額 | 株式投信に占める比率 |
|---|---|---|
| インデックス型 | 222兆8,282億円 | 64.9% |
| ファンド・オブ・ファンズ | 45兆2,933億円 | 13.2% |
| 毎月決算型 | 25兆8,221億円 | 7.5% |
お金はどの地域に向かっていますか?
投資対象地域別に見ると、国内が166兆4,186億円(株式投信に占める比率48.5%)、海外が90兆6,008億円(26.4%)、内外が86兆1,017億円(25.1%)です。国内が約半分、残りを海外と内外がほぼ二分する構成になっています。
資産別ではさらに集中が見えます。国内株式が156兆4,289億円で株式投信の45.6%を占める一方、海外債券は10兆3,178億円で3.0%にとどまります。公募株式投信における国内株式への投資比率も45.6%(投資額156兆3,348億円)で、同じ水準です。株式に大きく寄り、債券の存在感は小さいという構図がはっきり出ています。
通貨の視点で見るとどうなりますか?
公募株式投信のうち外貨建て純資産総額が占める割合は39.2%、ETFを除くと63.3%まで上がります。ETFには国内株の指数連動型が多く含まれるため、これを外すと外貨建ての比重が一気に高まる構造です。過去最高は2009年10月末の57.6%でしたから、ETFを除いたベースでは当時を上回る水準にあります。
通貨別のランキングは米ドルが105兆8,928億円で圧倒的な首位。以下ユーロが7兆9,569億円、UK・ポンドが3兆4,850億円と続きます。カッコ内の対前月末比を見ると米ドルは1兆7,661億円の増加で、増加額そのものがユーロ全体の残高の2割超に相当します。日本の投信保有者にとって、為替リスクの大半は実質的に米ドル建ての値動きだと言い換えられます。
外貨建て資産の比率が高いということは、円高・円安の動きが評価額に直接効くということでもあります。為替の値動きそのものを理解しておくと、投信の基準価額が動いた理由を切り分けやすくなります。ただしFXは証拠金を上回る損失が生じるおそれがあり、投信とはリスクの性質が異なる点には注意が必要です。
この数字を自分の判断にどう使いますか?
残高が過去最高だからといって、これから上がるという話にはなりません。純資産総額は過去の資金流入と値動きの結果であって、将来の運用成果を示すものではないからです。それでも、この統計は次の三つの用途で使えます。
- 自分の資産配分を市場平均と比べる:国内48.5%・海外26.4%・内外25.1%という全体像に対し、自分の保有がどこに寄っているかを確認する。
- 運用の継続性を見る材料にする:規模が安定して資金流入が続くファンドは、繰上償還のリスクが相対的に低い傾向がある。
- 為替リスクの実態を把握する:外貨建て比率39.2%(ETF除き63.3%)と米ドル偏重という構造を、自分の保有商品に当てはめて確認する。
この統計は資産運用業協会が「数字で見る投資信託」として無料で公開しており、22項目がA4一枚に収まっています。毎月更新されるので、四半期に一度でも同じ項目を追うと、構成比の変化が自分の目で見えるようになります。印象や見出しではなく、原典の数字で確かめる——データの目線でファンドと付き合うなら、ここが出発点になります。
よくある質問(FAQ)
- Q. 公募投信の純資産総額は今いくらですか?
- 2026年6月末で359兆9,199億円(5,836本)となり、過去最高を更新しました。内訳は株式投信343兆1,210億円(5,749本)、公社債投信16兆7,989億円(87本)です。出典は資産運用業協会が2026年7月13日に公表した「数字で見る投資信託」です。
- Q. 純資産総額が増えると個人投資家にどんな意味がありますか?
- 残高の増加には新規の資金流入と保有資産の値上がりの二つの要因が含まれます。残高そのものは運用成果を保証しませんが、資金流入が続き規模が安定しているファンドは繰上償還のリスクが相対的に低く、運用の継続性という観点では確認する価値があります。
- Q. インデックス型はどれくらいの割合を占めていますか?
- 2026年6月末で222兆8,282億円、株式投信に占める比率は64.9%です。公募株式投信の残高の3分の2近くが指数連動型ということになります。
- Q. この統計はどこで無料で見られますか?
- 資産運用業協会(旧・投資信託協会)が「数字で見る投資信託」としてPDFで公開しており、誰でも無料で閲覧できます。純資産総額・資金流入額・投資対象地域別の内訳・販売会社別シェアなど22項目が1枚にまとまっています。
- 一般社団法人 資産運用業協会「数字で見る投資信託」(2026年7月13日公表・2026年6月末時点):https://www.toushin.or.jp/files/statistics/3/20266.pdf
- 投資信託協会(資産運用業協会)「投資信託とは」:https://www.toushin.or.jp/investmenttrust/
- 金融庁:https://www.fsa.go.jp/
※本文の統計値はすべて2026年6月末時点です。数値は毎月更新されるため、最新値は一次資料でご確認ください。