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投信残高364兆円の過去最高|ETFを外すと外貨建ては6割を超える

市場統計公開:2026年10月8日最終更新:2026年10月8日文:蓮

本記事は情報提供を目的とした解説であり、特定の投資信託・金融商品の購入を勧誘するものではありません。投資信託・株式・FX等は元本割れのおそれがあります。最終的な投資判断はご自身の責任でお願いします。制度・税制・費用の数値は執筆時点のもので、最新情報は金融庁・資産運用業協会など一次情報をご確認ください。

2026年8月末の公募投信の純資産総額は364兆2,855億円で、過去最高を更新しました。ただし株式投信348兆125億円のうち135兆3,290億円、約38.9%はETFです。ETFを含めるか外すかで、外貨建ての比率は39.8%から63.6%へ、銀行等の販売シェアは19.3%から31.6%へ動きます。資産運用業協会が2026年9月11日に出した1枚資料「数字で見る投資信託」から、残高・資金の流れ・ETFの扱いの順に数字を並べます。

青い照明に照らされたデータセンターのサーバー群

364兆円の内訳は株式投信が95.5%

公募投信は全体で364兆2,855億円・5,840本。内訳は株式投信が348兆125億円(5,753本)、公社債投信が16兆2,730億円(87本)です。株式投信だけで全体の95.5%を占めます。

ここでいう株式投信は「株式に投資するファンド」ではなく、約款上株式を組み入れられる投資信託の区分です。バランス型や債券中心のファンドも多くがこちらに入ります。公社債投信はMRFなど株式を組み入れない区分で、8月末のMRFは15兆8,160億円でした。

公募投信の純資産総額(資産運用業協会・2026年8月末)
区分純資産総額本数全体に占める比率
公募投信 合計364兆2,855億円5,840本100%
株式投信348兆125億円5,753本95.5%
うちETF135兆3,290億円419本37.1%
公社債投信16兆2,730億円87本4.5%

比率は資料の金額から当ブログが計算しました。ETFの純資産は過去最高だった6月の135兆6,543億円をわずかに下回っています。公募投信全体と株式投信は8月末が過去最高なので、ETF以外の部分が全体を押し上げた形です。

1〜8月の流入17.3兆円は、すでに年間の過去最大を超えた

公募株式投信への8月の純資金流入は2兆174億円。1月から8月の累計は17兆2,551億円になりました。

比べる相手は2つあります。2025年通年の14兆3,188億円と、過去最大だった2024年の16兆6,295億円です。2026年は8か月で両方を上回り、2024年との差は6,256億円。残り4か月の流入がゼロでも、年間の最大記録は塗り替わる計算です。

公募株式投信への純資金流入(資産運用業協会)
期間純資金流入額備考
2016〜2025年の平均9兆6,584億円直近10年の年平均
2024年(年間)16兆6,295億円年間の過去最大
2025年(年間)14兆3,188億円28年連続の流入
2026年1〜8月17兆2,551億円8か月で2024年を上回る
2026年8月(単月)2兆174億円ETF除くと2兆956億円

株式投信の年間流入は1998年から2025年まで28年続いています。公募投信全体でも2004年から22年連続です。資料はどちらも「過去最長」と書いています。

1930年代の証券取引所で使われた木製の売買ポスト

8月はETFから約782億円が出ていた

資料は株式投信の流入を「ETF込み」と「ETF除く」の2本で載せています。8月はETF込みが2兆174億円、ETF除くが2兆956億円で、除いた方が782億円多い。ETFの部分は差し引きで約782億円の流出だったと計算できます。

1〜8月で見ると逆で、ETF込み17兆2,551億円に対しETF除く17兆268億円。ETFは8か月で約2,283億円の流入です。年初来の資金のほとんどは、ETF以外の投資信託、つまり証券会社や銀行の窓口・ネットで買う一般的なファンドに入っています。

ETF込みの数字だけを見ると「ETFも含めて全面的に資金が入っている」と読みがちです。単月で区分が逆向きに動くことがあるので、2本を並べて差を取る手間は省けません。

ETFを外すと、外貨建ては6割を超える

同じ資料には、ETFを外したときの比率が2つ添えられています。

ETFの有無で変わる比率(公募株式投信・2026年8月末)
指標ETF込みETF除く過去最高
外貨建て純資産の割合39.8%63.6%57.6%(2009年10月末・ETF込み)
銀行等の販売残高シェア19.3%31.6%53.0%(2009年2月末・ETF込み)

国内のETFは日本株指数に連動するものが大きく、残高の大半が円建てです。これを分母に入れたままだと外貨建ての比率は4割を切りますが、外すと6割を超えます。個人がNISAなどで買っている一般のファンドに限れば、資産の過半が外貨建てだと読むのが実態に近いでしょう。

通貨別のランキングでは、外貨建て純資産の1位が米ドルで109兆131億円、前月末から4兆2,737億円増えました。2位ユーロ8兆2,459億円、3位英ポンド3兆6,984億円で、米ドルが2位の13倍以上あります。円相場が動いたとき基準価額にどれだけ響くかは、この偏りで決まります。

散らばった米ドル紙幣

インデックス型65.1%、毎月決算型は7.4%

商品の型でも数字が出ています。インデックス型ファンドは226兆4,146億円で株式投信の65.1%。ファンド・オブ・ファンズは45兆6,175億円(13.1%)、毎月決算型は25兆8,121億円(7.4%)でした。

毎月決算型は、統計を始めた2010年3月以降のピークが2011年8月の67.5%です。15年で比率は約9分の1に縮んだことになります。インデックス型が3分の2を占める構図は、当ブログのインデックス型の内訳を扱った記事で見た7月末の64.9%から、さらに0.2ポイント上がりました。

投資先の地域別では、国内が167兆393億円(48.0%)、海外92兆6,413億円(26.6%)、内外88兆3,320億円(25.4%)。国内株式への投資額は158兆547億円で、株式投信の45.4%にあたります。

赤い線で描かれた株価チャートの画面

この数字から何を読み、何を読まないか

読めるのは「残高も流入も過去最高の水準にあり、その中身はETFとそれ以外で性格が大きく違う」という点までです。

読めないこともあります。残高の増加のうち、新しく入った資金と値上がりの比率は、この1枚の資料では分けられません。8月の流入2兆174億円は、純資産の増加額のごく一部です。また、ETFの売買主体が誰か(個人・事業法人・金融機関)もこの資料には出てきません。

比率を引用するときは「ETF込みかETF除くか」を必ず添える。外貨建て39.8%と63.6%は、同じ月・同じ統計の数字です。

よくある質問

公募投信の純資産総額は過去最高ですか?
はい。資産運用業協会によると2026年8月末の公募投信の純資産総額は364兆2,855億円(5,840本)で過去最高です。株式投信は348兆125億円、公社債投信は16兆2,730億円です。
2026年の株式投信への資金流入は多いのですか?
1〜8月の純資金流入は17兆2,551億円で、2025年通年の14兆3,188億円も、過去最大だった2024年の16兆6,295億円もすでに上回っています。
ETFを含めるかどうかで何が変わりますか?
株式投信348兆125億円のうちETFは135兆3,290億円(約38.9%)です。外貨建ての比率はETF込み39.8%、ETF除く63.6%。銀行等の販売残高シェアは19.3%と31.6%で、同じ統計でも見え方が変わります。
8月はETFから資金が出たのですか?
株式投信全体の8月の純流入は2兆174億円、ETFを除くと2兆956億円でした。差し引きでETF部分は約782億円の流出と計算できます。
一次情報:一般社団法人 資産運用業協会「数字で見る投資信託」(2026年9月11日)(公募投信の純資産総額364兆2,855億円・5,840本、株式投信348兆125億円、公社債投信16兆2,730億円、ETF135兆3,290億円、純資金流入8月2兆174億円・ETF除く2兆956億円、1〜8月17兆2,551億円・ETF除く17兆268億円、外貨建て比率39.8%・ETF除く63.6%、銀行等販売シェア19.3%・ETF除く31.6% ほか/2026年10月8日確認)。比率・差額・倍率は同資料の数値から当ブログが計算。
蓮
蓮
QuantumLeap データリサーチ担当

AI・データドリブン投資のリサーチを担当。運用コストやオルタナティブデータの動向を、テクノロジーの視点で中立的に解説します。数値は執筆時点の公式情報に基づき、投資判断は自己責任でお願いします。

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