FUND ANALYSIS / MARKET DATA
株式投信の3分の2はインデックス型|336兆円の内訳を数字で読む
本記事は情報提供を目的とした解説であり、特定の投資信託・金融商品の購入を勧誘するものではありません。投資信託・株式・FX等は元本割れのおそれがあります。最終的な投資判断はご自身の責任でお願いします。制度・税制・費用の数値は執筆時点のもので、最新情報は金融庁・資産運用業協会など一次情報をご確認ください。
結論から言うと、日本の株式投信336兆1,769億円のうち218兆1,306億円がインデックス型で、比率は64.9%です。「みんなが買っているもの」は、もう指数連動が多数派になりました。ただしこの1つの比率だけを見ると読み違えます。資産運用業協会が2026年8月14日に公表した「数字で見る投資信託」(2026年7月末基準)から、内訳を数字のまま並べます。
352兆円は、まず2つに割れる
公募投信全体の純資産総額は352兆5,277億円、本数は5,851本。この総額は制度上の分類で2つに割れます。
株式投信が336兆1,769億円(5,764本)、公社債投信が16兆3,509億円(87本)。金額で見ると95.4%が株式投信の側です。
注意したいのは、この「株式投信」が中身の話ではない点。約款で株式を組み入れられるかどうかによる区分で、実際には債券中心の商品も株式投信に入ります。だから以降の比率は、すべて336兆円を分母にした数字になります。
| 区分 | 純資産総額 | 本数 |
|---|---|---|
| 総合計 | 352兆5,277億円 | 5,851本 |
| 株式投信 | 336兆1,769億円 | 5,764本 |
| 公社債投信 | 16兆3,509億円 | 87本 |
インデックス型218兆1,306億円、比率64.9%
本題の数字です。インデックス型ファンドの純資産総額は218兆1,306億円で、株式投信に占める比率は64.9%。
ほぼ3分の2。残る約35%にアクティブ型やバランス型が入ります。ファンド・オブ・ファンズは44兆4,619億円で13.2%です。
この構図は10年前とは違う景色です。ただし本数では別の顔をします。5,764本という本数のうちインデックス型が何本かは同じ資料に出ていません。金額が集中しているのは事実で、本数まで多数派かどうかは、この資料では断定できません。
ETFを外すと、数字が動く
もう一段、分解します。ETFの純資産総額は130兆9,495億円(419本)。株式投信336兆円のうち約39%をETFが占めています。
ETFの多くは日銀保有分を含む国内株式型で、しかも銀行の窓口では売りません。だからETFを含めた平均値は、個人が買う投信の実像からずれます。
実際、資料は2つの数字を併記しています。外貨建て資産の割合は全体で39.7%、ETFを除くと63.4%。銀行等の販売残高シェアは全体で19.4%、ETFを除くと31.8%。同じ母集団の話なのに、ETFを外すだけで印象が反転します。
| 指標 | ETF込み | ETF除く |
|---|---|---|
| 外貨建て純資産の割合 | 39.7% | 63.4% |
| 銀行等の販売残高シェア | 19.4% | 31.8% |
比率を引用するときは、ETF込みか除きかを必ず添える。これだけで誤読がかなり減ります。
毎月決算型は7.6%まで縮んだ
変化の方向を示す数字も入っています。毎月決算型ファンドの純資産総額は25兆6,334億円で、株式投信に占める比率は7.6%。
統計を開始した2010年3月以降のピークは2011年8月の67.5%でした。15年で約9分の1です。分配を毎月出す設計から、指数に連動させて置いておく設計へ、残高の主役が入れ替わりました。
投資対象地域では国内が161兆5,314億円で48.0%、海外が89兆5,905億円で26.6%、内外が85兆550億円で25.3%。通貨別では米ドル建てが104兆7,394億円で突出しています。
残高を押し上げているのは、値上がりだけではない
比率が動いた背景には、入ってくるお金の流れがあります。公募投信への純資金流入は2004年から2025年まで22年連続、2025年の年間純資金流入額は15兆5,004億円でした。
公募株式投信に限ると、純資金流入は1998年から2025年まで28年連続。2025年は14兆3,188億円で、過去最大は2024年の16兆6,295億円です。直近10年の平均は9兆6,584億円なので、ここ2年が突出しています。
2026年7月の1か月だけを切り出すと、株式投信への純資金流入は3兆2,384億円、ETFを除くと2兆6,445億円。年初来の1〜7月では15兆2,377億円、ETFを除いて14兆9,312億円です。月次で見ても勢いは落ちていません。
制度側の数字も並べておきます。NISA口座数は2025年12月末で2,820万6,434口座。年間新規買付額は成長投資枠が12兆5,138億円、つみたて投資枠が6兆2,349億円でした。つみたて投資枠の対象商品は指数連動型が中心なので、この6兆円台の受け皿がインデックス型の比率を押し上げる方向に働きます。
この数字から何を読み、何を読まないか
読めることは2つあります。1つは、指数連動が残高の多数派になった事実。もう1つは、ETFという大きな塊が平均値を動かしている事実です。
読めないことも書いておきます。残高の大きさは安全性の指標ではありません。インデックス型は株価と為替の動きをそのまま受け取る設計なので、元本割れのおそれは残ります。事実、公募投信の純資産総額の過去最高は2026年6月末の359兆9,199億円で、7月末の352兆5,277億円はそこから約7兆円減った水準です。多数派であることと、減らないことは別です。
指数に連動する商品でも実績は指数とぴったり一致しません。その乖離の読み方はインデックスなのに指数と一致しない|トラッキングエラーを数字で読むで数字を追っています。