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個人株主9,198万人は延べ人数|名寄せすると1,677万人、1人あたり何銘柄か

市場の統計公開:2026年11月2日最終更新:2026年11月2日文:蓮

本記事は情報提供を目的とした解説であり、特定の投資信託・ETF・金融商品の購入を勧誘するものではありません。投資信託・ETF・株式・FX等は元本割れのおそれがあります。最終的な投資判断はご自身の責任でお願いします。制度・数値は執筆時点のもので、最新情報は運用会社の公表資料など一次情報をご確認ください。

2025年度の個人株主数9,198万人は、日本の人口の7割を超える数字に見えますが、1人が10銘柄を持てば10人と数える「延べ人数」です。同じ調査の参考欄には、証券保管振替機構(ほふり)が銘柄をまたいで名寄せした個人株主数が約1,677万人と載っています。東京証券取引所など全国4取引所が2026年7月2日に公表した「2025年度株式分布状況調査」から、延べ人数と名寄せ後の人数の違い、増えた理由の内訳、投資信託が日本株の11.3%を持つ意味を順に並べます。

古い市街地の建物の前に大勢の人が集まっている白黒写真

9,198万人は「人数」ではなく何の数か

調査の特徴点1の注に、集計方法が書かれています。上場会社の間では株主の名寄せができないため、各社の株主数を単純に足した「延べ人数」を使う、という一文です。例として、1人で10銘柄を持つ個人は、全体の集計では10名と数えると明記されています。

対象は全国4取引所の上場会社3,975社で、前年度の4,022社より47社少ない母数です。株主数の合計は9,381万人、そのうち「個人・その他」が9,198万人で98.1%を占めます。会社が減ったのに延べ人数は前年度比839万人増え、2014年度から12年連続の増加で過去最高を更新しました。

名寄せした個人株主は1,677万人、1人あたり何銘柄か

調査の末尾にある【参考】欄は、ほふりの月次統計「株式5 属性別株主数状況」を紹介しています。ほふりは銘柄を横断して名寄せをしており、2025年10月〜2026年3月に決算を迎えた銘柄で見た個人株主は約1,677万人。前年度の1,599万人から約78万人の増加です。

延べ人数と名寄せ後の人数(2025年度株式分布状況調査の本文・参考欄より)
項目延べ人数(本調査)名寄せ後(ほふり)
2025年度の個人株主9,198万人約1,677万人
前年度からの増加+839万人約+78万人
数え方各社の株主数を単純合算銘柄をまたいで同じ人を1人と数える
単元未満のみの株主除く含む
外国籍の個人含まない(日本国籍の個人)含む

9,198万÷1,677万で計算すると約5.5になり、名寄せした1人が平均で5銘柄前後を持っている目安になります。ただし調査の注記どおり、基準日・単元未満株の扱い・国籍の範囲が両者で違うため、厳密な平均保有銘柄数ではありません。この割り算は筆者の目安計算です。

増え方の差も見ておきます。延べ人数は1年で839万人増えたのに、名寄せ後の増加は約78万人でした。新しく株を始めた人よりも、すでに株を持つ人が銘柄を買い足した分が、延べ人数を大きく押し上げていると読めます。

石造りの旧証券取引所の建物の正面

延べ人数を押し上げた4つの要因はどれだけか

図2「個人株主数(延べ人数)増減の要因分析」は、2025年度の増減を4つに分けています。株式分割を1:1.5以上で実施した会社は227社あり、日本製鉄もその1社です。

2025年度の個人株主数(延べ人数)の増減要因(図2より)
要因増減
その他の会社+610.3万人
株式分割実施会社(227社)+263.7万人
新規上場会社+125.3万人
上場廃止会社△159.9万人

株式分割は1株あたりの値段を下げ、少ない資金で最低単位を買えるようにします。分割した会社だけで263.7万人が増えた一方、上場廃止で159.9万人が消えました。延べ人数は、上場会社の数と分割の有無で数十万人単位に振れる数字です。

10年でほぼ倍、推移はどう伸びたのか

表2「個人株主数(延べ人数)の推移」から、節目の年度を抜き出しました。2015年度は日本郵政グループ3社の上場で新規上場分が+172万人、2018年度はソフトバンクの上場で+126万人と、大型の新規上場がある年に跳ねています。

個人株主数(延べ人数)の推移(表2より・万人未満切り捨て)
年度個人株主数(延べ)前年比備考(表2)
20154,944万人+362万人新規上場+172万人(日本郵政グループ3社など)
20185,473万人+343万人新規上場+126万人(ソフトバンクなど)
20216,460万人+479万人-
20237,445万人+462万人分割実施会社+247万人(日本電信電話など)
20248,359万人+914万人分割実施会社+267万人(ソフトバンクなど)
20259,198万人+839万人分割実施会社+263万人(日本製鉄など)

2024年度の+914万人は、新しいNISAが始まった年度の数字でした。2023年度からの3年はいずれも分割実施会社の寄与が240万人を超えており、増加の一部は「同じ人が持つ株の数が細かくなった」結果として数字に表れています。

時計塔のある古い駅舎の前を人と車が行き交う通り

保有金額では、投資信託が日本株の11.3%を持つ

人数とは別に、調査は投資部門ごとの保有金額も出しています。2026年3月末の対象3,975社の時価総額は1,213兆9,152億円で、前年度比28.0%増えました。TOPIXが年度で31.6%上がったことが主な要因と推測されています。

投資部門別の株式保有比率(金額ベース・2025年度末)
投資部門保有比率前年度比
外国法人等34.7%+2.3ポイント(過去最高)
信託銀行21.8%△0.6ポイント
事業法人等17.7%△1.0ポイント(過去最低)
個人・その他17.4%+0.1ポイント
うち投資信託(信託銀行・都銀地銀等の内訳)11.3%+0.6ポイント(過去最高)

投資信託の保有額は137兆3,033億円です。個人がインデックス投信を積み立てると、その資金は運用会社と信託銀行を通じて株を買うため、統計上は「個人」ではなく「投資信託」の欄に入ります。個人の売買は年度合計で4兆7,944億円の売り越しでしたが、投信経由の保有は伸びていました。直接の株主数と、投信を通じた間接の保有は、別の欄で見る必要があります。投信の残高の内訳は投信残高364兆円をETF込みと除外で分けた記事にまとめています。

よくある質問

個人株主9,198万人は、実際に株を持っている人の数ですか?
違います。上場会社ごとの株主数を足した延べ人数で、1人が10銘柄を持てば10人と数えます。同じ調査の参考欄では、ほふりが名寄せした個人株主数を約1,677万人としています。
延べ人数が1年で839万人も増えたのはなぜですか?
図2では、その他の会社で+610.3万人、株式分割実施会社で+263.7万人、新規上場会社で+125.3万人、上場廃止会社で△159.9万人です。名寄せ後の増加は約78万人なので、既存の株主が銘柄を増やした分が大きいと読めます。
投資信託で日本株を買うと、個人株主に数えられますか?
数えられません。投信が持つ株は投資信託の欄に入り、2025年度末の保有比率は11.3%で過去最高でした。個人が株主名簿に載るのは、自分の名義で株を持った場合です。
一次情報:東京証券取引所・名古屋証券取引所・福岡証券取引所・札幌証券取引所「2025年度株式分布状況調査の調査結果について」(2026年7月2日)(特徴点1〜6・【参考】ほふりの名寄せ後株主数・表1・表2・図2・表3)。2026年11月2日に参照。延べ人数÷名寄せ後人数の約5.5は基準日等が異なる数字どうしの筆者の目安計算です。表2の数値は万人未満を切り捨てています。
蓮
蓮
QuantumLeap データリサーチ担当

AI・データドリブン投資のリサーチを担当。運用コストやオルタナティブデータの動向を、テクノロジーの視点で中立的に解説します。数値は執筆時点の公式情報に基づき、投資判断は自己責任でお願いします。

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